飲食店開業について(4)

飲食店開業、開店準備について(4)

資金計画、店舗設計・内装工事、メニュー、厨房機器、什器備品・調理器具、食器、従業員計画、清掃、営業時間、定休日についてご説明しています。

資金計画

物件を賃貸し、内装工事をして、厨房機器、什器備品を入れ、客席を設えることは、相当の資金が必要です。中には、全額自己資金でまかなえる方も居るかと思いますが、稀でしょう。

よくある質問に開業資金は幾ら必要ですか?というものがあります。飲食店にかぎらず他業種でも同じ質問を受けます。しかし、これに答えられる人は居ません。内容によって、相当の差があるからです。

自己資金で全部賄えない場合(多くのケースはこれです。)は、融資を受けることになります。

金融機関で融資をうけなければなりませんが、新規開業では、銀行は通常貸しません。そこで、公的融資を利用することになります。従来は「国民金融公庫」(国金)でしたが、現在は「日本政策金融公庫」になっています。

新規開業の場合は、「新創業融資制度」を利用します。(詳しくは日本政策銀行のホームページ等を見てください。)

ここで、問題になるのは、先ず自己資金です。

よく「1円もないが借り入れできますか?」という質問がありますが、「1円もない人」に、公的融資と言えども貸し付けるわけはありません。相当の自己資金をこれまで蓄えたことが実績となるのです。通常最低、創業資金の3分の1以上は必要です。つまり、例えば創業に必要な資金が、900万円の場合は、自己資金として300万円以上が必要で、後の600万円を借りることになります。(ただし、申請額が100パーセント満額融資は滅多にありません。申請額が借りられるという誤解がありますので、注意してください。)足りない場合は、資金計画を組みなおすか、それとも不足分を身内などから借りることになります。

次に、事業計画です。当然、杜撰な事業計画では通りません。

仮に自己資金がそこそこあり、事業も儲かるビジネスモデルだとしても、事業計画に落とし込まないとだめです。逆に事業計画は一見すばらしいが、挫折が目に見えているビジネスモデルでは、通らないことになります。融資について不安な方は、公的融資を申請する前に、専門家にご相談されることをお勧めします。

融資を受けたら返済しなければなりません。返済計画もよく考えておく必要があります。返済金は固定費になるので、売り上げがなくても支払っていかなければなりません。売り上げを予想することは、難しいものです。まして、新規開業者が売り上げ予測を正確に立てられるとは思えません。最低売り上げのときのことも考慮しておくことです。

店舗設計、内装工事

設計にしても施工にしても、飲食店未経験の業者に任せることは冒険になります。飲食店専門か、専門でなくてもある程度の経験をしている業者を選定するべきです。

客席と厨房のバランス、客席の配置、厨房の場合は、厨房機器の配置、作業動線などの項目があります。業種、業態によって内装は全く違ったものになります。例えば、中華料理であれば、大衆店、中級店、高級店で、客席も厨房も違います。

設計に関しては、法律上の規制がありますので、それを理解している必要があります。また、単に保健所、消防の検査に通りさえすればよいのではなく、将来問題が起きないようにしておくことが重要です。飲食店は、人の生命を預かるところであるということを忘れないで下さい。食中毒や火災などは、お店にとっては命取りになります。

メニュー

先ず、メイン・メニューを決めます。これは、当然、コア・コンセプトに合致していなければなりません。美味しく(美味しそう)、見た目もよく、分量も適当で、原価率も適正、調理もむやみな手間がかからないことが、重要です。

飲食業未経験の場合は、まったくのオリジナル・メニューは避けた方がよいでしょう。たとえば、蕎麦、カレー、焼き鳥、お好み焼き、ラーメンなどは、説明しなくてもわかります。しかし、「創作料理」のようなものは、お客様に説明しなければならないので、初心者には不向きです。

メイン・メニューが決まれば、次は、調理方法、食材選定、食器選定、業者選定などに進みますが、レシピ作成が一番重要です。これによって、原価等も決まってきます。また、厨房機器、什器備品、従業員計画などに影響します。

レシピの作成は、試作にはじまります。そのときにコア・コンセプト、メニュー・コンセプトとの関係を常に念頭におかなければなりません。

調理経験がない場合は、試作自体が難しいかもしれません。また、家庭料理と飲食店では、調理方法が違う場合もあります。どこかで修行するか、スクールに通うか、或いは、その料理についての基本書(専門書)で勉強する必要があります。また、専門家のサポートが受けることも選択肢の一つです。

開店に限らず、勉強をしない経営者は、お店を維持できません。勉強は、料理、経営、マーケティング、サービス、経済、法律、経理など多肢にわたります。業界誌なども購入するべきです。また、他の飲食店に食べに行くことも重要です。開店すると、お店の業務に追われ、何も勉強しない人がよくいます。また、勉強することがないなどと言う方もいますが、そのようなことはあり得ません。

メイン・メニューが決まれば、次にサブ・メニューを決めていきます。また、料理には飲み物が付いて回るので、アルコール、ノンアルコール飲料に関する選定も必要になります。どのような業種、業態でもサブ・メニューは、売り上げアップ、収益確保には大きな役目を果たしています。今はやりのカフェも、お店にもよりますが、珈琲などの飲料の他にペストリー等の軽食を販売しています。スペシャルティ・コーヒーだけ販売しているより、サイド・メニューもあわせて売る方が、売り上げは上がります。これは、ハンバーガー・チェーンで、飲料やフライド・ポテトを売るのと同じです。サブ・メニューは、手間がかからず、原材料原価率が低いことが条件です。

厨房機器

業種、業態によって、必要な厨房機器は違ってきます。また、メニューや調理担当者の技量によっても変わってきます。

厨房機器は、業務用の機器メーカーがありますので、ネットや実店舗で概略、金額を把握しておくことです。

中古品の利用について、よく聞かれますが、程度によるので一概に言えません。シンク、作業台等は程度がよければ、磨いて使えば問題はないでしょう。ただし、空調、冷凍冷蔵庫、洗浄器等の機械ものについては、後で頻繁に故障して営業できないことや、修理費用がかさむことありますので、慎重に選ぶべきです。大体、機械は忙しいときに故障するものです。基本的には新品を入れることを考えた方がよいでしょう。中古を探すにしても、新品を見ておくことです。

什器備品、調理器具

厨房機器より低価格ですので、必要に応じて買い揃えていけばよいことです。最初に必要な什器備品は、リストアップして、専門店から100円ショップまで色々見比べて購入して下さい。

大都市であれば東京のかっぱ橋、大阪の道具屋筋などで、飲食店向けの業務用什器備品、厨房機器、食器、販促物などが揃います。

食器

お店のコンセプトに合った食器の選定が必要です。大衆店と高級店では、全く違ったものになるのは、当然です。

高級店の場合は別ですが、飲食店未経験者がいきなり高級店を出店することはあまり考えられないので、通常のお店では、作業効率も考えておかなければなりません。大衆店などの場合は、余り取り扱いにデリケートなうつわは使いにくい、洗浄しにくい、保管しにくいということが起きますので、注意してください。狭小なお店の場合は、食器に限らずスタッキング(積み重ね)が出来るものの方がよいでしょう。

従業員計画

オーナーがお店に入るかどうか、或いは家族が従事するかどうかの問題があります。会社員の副業や多角経営の場合は、いずれにせよ他人を雇用することになります。

飲食店はサービス業ですので、結局は人間によってお店は変わります。優秀なスタッフを雇用し、やる気を出して定着してもらうことは簡単ではありません。どんなにお店が立派でも、飲食店に不向きな従業員ばかりでは、お店は成りたたなくなってしまいます。

従業員計画は、先ず募集、次に面接、採用(契約)、トレーニング、開店後の教育(OJTなど)という順序で進みます。

募集は、店頭の表示(ポスター)、求人雑誌、その他の紙媒体、ハローワークなどを組み合わせて告知します。或いは、知人友人などや、そこからの紹介なども含めてもよいでしょう。オープンに間に合うように逆算して、早めに手を打つことは言うまでもありません。採用した人の内、早く辞めてしまう人が出るのが普通ですので、頭にいれておいて下さい。

面接は、やってみないとわからないことですが、なかなか難しいものです。面接の印象と雇用後の働きが違うこともよくあります。案外よかったとか、期待していたのと違う、などということが起こりがちです。これは、面接のやり方を工夫することで、ある程度は改善可能です。

飲食店に不向きな人は雇わないことがお互いのためです。飲食店は、単に食事をしにくるだけではなく、たとえ大衆店でも、居心地のよさが必要です。余りに、暗い表情に見える人や、優柔不断な人、或いは人を不愉快にしそうな方、不潔な人は、絶対飲食業に従事するべきではありません。これは、オーナーにも言えることです。また、人間は感情的なものですので、私生活の問題、感情を仕事場に持ち込むような方も、向かないでしょう。

よくあるご質問に、飲食業経験者を雇用すべきか、それとも未経験者を雇用した方がよいのかというのがあります。これは、答えはありません。専門的な技量が必要な場合は、経験者でなければ不可能です。しかし、このような人の中には、オーナーの指示を聞かないような「使いにくい」人間もいることは確かです。また、その人が辞めたらお店が成り立たないというのも経営上、リスクがあり過ぎます。

オーナーがお店に立たない場合も、従業員任せにしていてはいけません。常にお店に顔を出し、従業員に指示したり、話し合ったりするほか、数字を把握しておくことです。あまり好ましい話ではありませんが、お店を人任せにしていると「不正」(売り上げの着服、リベートなどの問題)がはびこったり、そうでなくてもオーナーの考えと乖離していくものです。規模にもよるので、導入するべきかは考えるべきですが、売り上げのネット管理なども出来る時代です。方法はともかく、オーナーには日々の売り上げ等の報告をするようなシステムにしておけばよいでしょう。

清掃(クレンリネス、サニタリー)

飲食店は、他の業種にも増して、清潔であることが絶対条件です。誰も「小奇麗な」お店を望むものです。あなたは、わざわざ「小汚い」お店に行きたいでしょうか。しかし、町の飲食店は、不衛生なところが目に付くのが現状です。要するに衛生の意識が低いとしか言いようがありません。

飲食業は、人の生命を預かる業種です。食べ物は、管理が悪かったり、汚染されていたり、時間が経ちすぎると腐敗します。これらの食材を提供すれば、食中毒になるのは目に見えています。食材の管理は、直接的に重要ですが、その前に清潔を保持していることが必要です。食中毒を出せば、お店は、極端な場合は閉店に追い込まれます。また、お客様に多大な迷惑や、迷惑では済まない事態になりかねません。掃除も行き届かないお店は、何時食中毒がでてもおかしくはありません。衛生管理は、飲食業の義務です。

清掃については、チェックシートで管理したらよいでしょう。その前提として、清掃方法も決めておかないとスタッフによってバラバラになってしまいます。

清掃には、用具が要ります。また、その保管場所も必要です。よく、飲食店で、不潔そうな清掃用具や、壊れているものを使用しているのを見かけますが、点検して、新品と取り替えて下さい。

営業時間

営業時間は、お店の業種、業態、ロケーションその他で違います。平日、土曜日、日曜日の通行量や、どのような種類の人が歩いているのか、実地に調査することです。

飲食店の通常形態では、大体昼前に開店し、夜10時ころに閉店するのが多いと思います。しかし、あまり固定的に考えるより、人の動きにあわせた方がよいでしょう。営業時間は、開店後に変更することもできますが、余り頻繁には変えられません。

営業時間は、お店を開けている時間帯です。これには、開店作業の時間、閉店作業の時間が含まれて居ません。例えば、コーヒー専門店であれば、スタッフがお店に出勤してきて、お客様を迎えるまで、10分でも可能です。前日、清掃をしていれば、極端な話し、お湯を沸かせば、開店できます。しかし、料理がメインの通常の飲食店の場合は、1時間は必要になるでしょう。

営業時間が長くなると、雇用しているスタッフのシフト編成をします。お店の忙しいところに人員を集中し、アイドルには人員を最小にしておくのが原則ですが、絵に描いたようにはいかないことが普通です。しかし、人件費は抑えていかないと飲食店は経営できません。

定休日

これは、ロケーションと従事するスタッフによります。よく、オーナーとその配偶者が二人でやっている、所謂パパママストアで、店主夫婦が若ければ、ほぼ年中無休でやっているケースがあります。これは、若いから出来るのであって、40代以上では無理になってきます。また、体力的に可能でも、毎日お店と家の往復で終わるような生活は、精神的に耐えられなくなってくるものです。むしろ、定休日を作る方が、お店のためでもあります。

ビジネス街など、平日と土日の人口が極端に違う場合は、日曜定休にします。繁華街の場合、飲食店は、月曜日、水曜日、木曜日に休んでいることが多いようです。場合によっては、他が余り休まない曜日にずらすことも、一つの方法です。定休日は、あまり変えられませんので、はじめによく考えて下さい。

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