飲食店開業について

飲食店開業、開店準備

飲食店の開業、開店のご説明をしておきます。なお、飲食未経験者向けに書いていますが、経験者にも多少参考になると思います。

はじめに

飲食店は、極端に言えば、資金さえあれば開店できます。そこで、安易な出店による早期撤退があとを絶ちません。何事も、はじめが肝心ですので、開店準備の前が一番重要です。

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飲食店関係の開業本は、大きな書店に行けば何冊も並んでいます。よくあるのが、飲食店経営者の書いたもの、飲食店コンサルタントが書いたものです。双方とも、自己の経験が主になっているものが多いので、記述を鵜呑みにしないことです。

個別のノウハウは、応用できるものと、全く応用できないものがあります。インターネットの記述も同じことです。一般論か、或いはその店でしか通用しないことを、自分のお店で簡単に利用、応用するにはアレンジが必要です。

少なくとも何冊もの本を読み、飲食店経験者、経営者、専門家等の意見を聞いて下さい。 お店をやる以上、最後は自分で決定することはいうまでもありません。 しかし、それは人の意見を聞かない、独善的なものであってはいけないのです。

未経験者に限らず、経験者もセオリーを無視すれば、リスクを負います。セオリーを知っていて意図的に無視するのと、無知は全く違います。

あなたもローリスクな開店を目指してください。

飲食店の未経験者を想定して書いていますが、経験者の方にも参考になるようにしています。

※コンセプト設定が一番重要です。これをいい加減にしていると、開店準備が進むに従って、混乱します。

色々なやり方がありますが、コア・コンセプトを決め、業種業態を設定し、メイン・メニューを決めてから、次の段階(物件、資金、厨房機器、店舗設計、内装工事、什器備品、調理器具、食器、従業員計画など)に進むのがやりやすく、また、矛盾しないお店に持って行きやすくなります。

飲食店開業について

よく店が変わる。開店、閉店が続く「場所」があります。この「場所」は、選んではいけないのです。もしテナントに入る場合は、前の店が何故閉店したかを調べておくべきです。流行らない店には、必ず原因があります。その原因のひとつに「立地」があるのは言うまでもありません。例えば、1階、2階、地下と三つあれば、余程の理由がない限り1階にすべきです。もちろん、業種、業態によって違うのは当然です。例えば、「立ち食いそば」を地下や2階にする人は居ない思います。なお、半地下がありますが、これは、地下物件と同じです。地下物件は、難しいのです。

飲食店に限りませんが、誰もやっていないような店は、初心者は手を出すべきではありません。誰もやっていないのは、理由があります。貴方が考えるようなことは、既に誰かが考えたことです。普通の店を成功できない人が、普通でない店を成功させることが出来ないのは自明です。しかし、往々にして、勘違いしている人が多いのです。例えば、蕎麦屋、カレー屋と聞いたら、どんな人でもイメージできます。高級店、大衆店等の業態の違いがあっても、蕎麦やカレーを食べたことも聞いたこともない日本人はいないと思います。「創作料理」で、具体的なイメージを持つ人は稀です。イメージができないものや、認知度の低いものは、はじめに手を出すものではありません。

流行と言うものもあります。トレンドと言う方が現代的でしょうか。「流行りもの」は、流行った時点で、ピークを越えています。飲食業界にも流行がありました。それらの殆どは、数年で消滅しています。資本力があれば、スクラップ&ビルドで、出店、閉店を繰り返しても問題はありませんが、個人企業では、不可能です。

飲食店の大きな問題は、開業したら簡単に方向転換できないことです。コンセプト(コア、サブ)を決定し、テナントに入る初期費用、内装工事、厨房機器、什器備品を整え、開店してから流行らないからと言って簡単には変えることができません。間違ったコンセプト、間違ったテナント選び等を修正するのは容易ではないのです。従って、はじめが肝心です。

典型的な例を二つ。ひとつは飲食経験者の開業、開店です。ここで「飲食経験者」とは、経営者ではなく、飲食業に従事した調理人、サービス経験者と定義します。例えば、和食の経験者が、自分で開業、開店するときのことを想像して下さい。飲食業界は、多岐に渡ります。和食系と言っても、分類すれば相当のカテゴリーに分かれます。ここでは、仮に、中級店で2、3店で修行して、「調理長」まで行った方を例にします。この人の調理技術については、標準以上とします。また、彼は出店にもかかわりました。ここまでは、問題ありません。しかし、彼は経営をしたことはないのです。出店にもかかわっていますが、あくまで調理場からの参加に過ぎません。

この人が、和食店を開業するときは、次の点について、補強する必要があります。先ず、「経営」について。これは、「飲食店経営」の上位概念です。次に、「飲食店の経営」です。その次に、「マーケティング」です。お客は、勝手にやってきません。「販促」が必要です。「販促」というと、「広告宣伝」や、「ホームページ」や、「チラシ」等を想像するかもしれませんが、それらも必要ですが、それだけではありません。細部については、別のところで説明したいと思います。また、「会計」の知識が必要です。確定申告等を税理士に任せる場合でも、基本的な事柄について知らないと経営はできません。その昔は、「どんぶり勘定」と言うものがあり、調理人から経営者になった人が、数字を把握せず、閉店に追い込まれたケースがよくありました。現在、原価率を気にしない人はいないと思いますが、原価、経費等の数字は常に把握しなければいけません。

ほかにも出店の場合は、店のレイアウト、内装、厨房設計、厨房機器の選定、什器備品の選定が必要です。これらは、当然予算の問題もあるので、簡単ではありません。大体、予算は超える物です。もうひとつ、大きな問題があります、それは「料理」のことです。多くの店を修行して廻ることは、普通ありません。従って、「料理」の知識は、その人の努力にもよりますが、限定的であることを自覚すべきです。自分の知らないことは、調べるなり、人に聞くなりして補完しておきたいものです。経験者ほど自分の知っていることが全てであると錯覚し、独りよがりになりがちですので、謙虚に事に望むことです。

二つ目は、「飲食未経験者」の開業、開店です。未経験と言っても、開業するのであれば、それなりの知識、技術があるはずです。しかし、「現場」を知らないのは大きなハンディです。従って、一度は現場に「入る」ことをお勧めします。現場を見ても何もわかりません。カウンターひとつ越えたところの世界は、カウンターの外からは見えては来ないのです。次に、「コンセプト」です。ある程度の方向性は当然持っていると思いますが、全く通用しないことを考えている人も居ます。

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